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社会的責任を、企業はどこかに置いてきてしまったのである。
二○○五年八月には、大手都市銀行の支店に勤務する女性派遣社員が一○億円近い預金を着服したとして、銀行側が告訴した。
新聞報道で見るかぎり、この女性は三年間にわたって同じ業務に従事し、その間に不正がおこなわれたようである。
銀行の場合、正規の行員なら、一○年以上同じ部署にいることはありえない。
また派遣社員であっても、二○○四年三月施行の改正労働者派遣法に照らして考えるなら、一○年以上も受け入れてきた派遣社員は、直接雇用に切り替えるべきであった。
この事件は、間接的な雇用者を派遣先がどう処遇するかで、さまざまな問題を含んでいる。
前者は派遣会社に常時雇用され、派遣先に派遣される人である。
後者は、あらかじめ派遣会社に登録しておき、派遣が決定したときだけ派遣会社の社員になるケースだ。
登録型派遣のほうが、常時仕事があるわけではないから、経済的にも不安定だ。
だがこの両者間の数は一桁違うとはいえ、派遣社員は日の出の勢いである。
厚生労働省がおこなった『派遣労働者実態調査』(二○○五年)では、派遣社員を受け入れた事業所が全体の三割を超している。
業種別に見ると「金融・保険業」や「情報通信業」でその傾向が著しく、前者は受け入れ事業所の比率が六三・八%、後者は五○・三%だ。
これは、日本の雇用形態が、労働力を直接雇う直接雇用から、人材を必要に応じて調達する間接雇用へと、方向転換のカジを切り出したことの証明でもあろう。
リストラなどが一巡し、さらには一定の市場規模(約二兆三○○○億円)に達したことから、今後は鈍化も予想される。
派遣先から派遣元に支払われる一人あたりの派遣料金は、二○○三年度は一日(八時間労働)につき一万六○○三円だった。
二○○○年度(一万六七五五円)に比べれば、低い水準になっている(住友信託銀行『調査月報』二○○五年六月号)。
一部では仕事獲得のため、料金の激しいダンピングもおこなわれている。
派遣社員には、二つの働き方があることも指摘しておこう。
「常用型」と「登録型」対象者五七五人中、女性が八六・六%を占めた。
結果は、登録型女性派遣社員の意見とみてもいいだろう。
表5は、専門二六業務、および新たに加わったその他の業務の時間あたりの賃金を示したものである。
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